答えを出す権利
日本とドイツでは子供に対する教育の考え方が違うようです。小学校で、お弁当を忘れてきた6歳の子供が『先生、お弁当を忘れてしまいました』というと、日本では、すぐさま先生が親に電話して、お弁当を持ってきてもらうように頼むのがほとんどだそうです。
それに対してドイツでは『どうするの?』と子供に聞き、子供に考えさせて、先生が親にお弁当を持ってきてもらうように頼むことはしません。親に対して『お弁当を忘れたから持ってきて』というのは、子供が自分で頼むようにしているのです。自分で親に頼んだ子は、先生が頼んだ場合に比べ、またお弁当を忘れることが減るのではないでしょうか?
子供がお弁当を忘れてきた時、子供が考えて出す答えは、①他の子供たちにお願いして、少しずつお弁当を分けてもらう ②親に電話して持ってきてもらう ③お弁当を食べるのを諦める等が考えられます。
私たちは知らず知らずのうちに、子供から『考える権利』『選択する権利』『失敗する権利』を奪っているのではないでしょうか? そしてこれは子供の『学び、成長する権利』なのです。大人は面倒なことを避けようと『失敗する権利』をも奪っているのではないでしょうか。
我々社会生活に於いても、同じようなことをしている可能性があります。
若手社員が『わからない』というと、すぐに手取り足取り教えたり、現場で問題が発生した時、答えを自分で出させないのです。
現場の中で日々小さな失敗をしたら、どうしようか考え、手段を選択する事で、学びを積み重ね人間は成長していくのではないでしょうか?
『答えを出す権利』があることを心に秘め、自分で考え、仕事を通じ人間として成長していきたいものです。