物価上昇
大型物件の内装工事の契約は、早いものでは基礎工事の段階でどこと契約するか決まってしまいます。契約してから1年後に乗り込みする場合もあり、大きな現場になるほど契約してから乗り込みまでタイムラグが大きくなるのです。今回の大幅な材料価格の上昇は、持ち出しになってしまい苦しんでいる会社は多いのではないでしょうか?
元請ゼネコンも旧値での契約は、着工後における材料の上昇分は追加工事として認めてもらうことができないのです。当社も昨年8月の契約した物件が2月末から始まり、大幅な持ち出しになる可能性があります。これは、元請ゼネコンの責任でも、メーカーの責任でも、職人さんの責任でもありません。材料の価格変動を予想できなかった当社の責任です。
今後、世界の情勢を鑑みて、すべてのものの値段が上がってくることが予想されます。長い間デフレに慣れきってしまった日本が変わろうとしているのではないでしょうか? 2022年は新しい時代の過渡期であり、請負の契約では旧値の単価がまだ残っていて、1回転しないと新単価に落ち着かないのではないでしょうか?
適正価格は時代によってどんどん変化していきます。持論になりますが、物価上昇は総論賛成、各論反対です。大きな目で捉えるなら物価が上がることは良いことであり、企業に利益をもたらします。物価上昇分を得意先に転嫁できれば問題はないと考えますが、お客様に納得してもらうのが苦労しそうです。
また、物価上昇しても価格競争は無くなりません。仕入れ先に対しては他のどこよりも安く仕入れたいと考えるのが常です。矛盾な考えになりますが、その時その時にあった価格設定をするしかないように感じます。NET金額の提示で営業が難しくなってきていますが、悲観的な思想にならずに、時代の過渡期を楽しみながら仕事ができれば最高です。
明るい未来が来ることを信じて今を生きていきたいものです。