付加価値
建設業界で契約するために最も重要なことは契約金を決めることです。どこよりも安く提示する必要があり、原価ギリギリの金額を計算して、これだったら発注してもらえる金額を算定するのです。しかしながら、この金額だったらライバル会社に対して勝てると考えていても、下を潜られることは多くあります。
得意先の体質にもよりますが、数社から見積もりを取り、一番安いところに発注するのが一般的です。それぞれの建設会社には協力会社があり、協力会に入会していれば、優先発注してもらえることもあります。それでも、利益が出るか出ないかギリギリの契約金で勝負をしているのではないでしょうか?
発注する予算がいつも原価に満たない単価の安い建設会社があり、安ければどこに発注しても良いという考えがあり、そのような会社とは、まったく契約が出来ず、いつも勝負に負けてしまっています。あまりにも契約金が安すぎて、契約ができなく、会社の売上の数字に影響を与えてくるか悩んでしまいます。
いつの時代でも、どんな商品でも、常に競争の原理が働きます。競争の無い世界はありません。競争の無い世界を求めても仕方ありません。ひとつの物件を失注したからといって、縁が無かったと考え、次に行くしかないのです。そんな中でも、条件の良い物件ばかりを契約し続けている人がいるのです。なにか要因があるのではないかと考えてしまいます。
目先の売上や利益の事しか考えることができなかったら、競争に巻き込まれてしまうのではないでしょうか。何を求められているのか、お客様の事を第一に考え、行動している人が勝ち残っていくと感じます。計算が出来る頭の良い人より、お客様や仕入れ先に対して役に立ちたいと絶えず考えている人の方が成功するのではないでしょうか? 無意識に次の物件の営業ができているのです。
目先のテクニックより、不器用でも本当に親身になって考えてくれる人間性が重要だと感じます。我々は価格を売っているのではありません。仕事の質を高めることで、一緒に仕事をした人たちと共に成長していけば、自分にとっても自信や達成感に繋がるのではないでしょうか?
我々の業界は、世の中に対して無くてはならない業界です。仕事に対する値打ち、意味や価値、すばらしさを感じながら、価格競争に巻き込まれない別の形で勝負することで付加価値を創造し、仕事に取り組んでいきたいものです。