今月の一言
横浜市のマンション傾斜問題が、連日大きく報道されています。 設計事務所、元請け、一次店の責任追及より、二次店の日本を代表するメーカーの子会社に対して管理責任を追及しているのです。杭の長さやセメントの量、抵抗値のデータを改ざんした下請会社の主任技術者に責任を押し付けていますが、元請会社の監理技術者にも大きな責任があるのではないでしょうか。

今回の事例の落としどころがどうなるか? 関心持って見守っていく必要があります。下請業者は設計図書通りの杭の本数や長さ、仕様に基づいて工事を進めたと思いますか、杭が硬い地盤まで届かなかった問題に対して、報告されていなかった。または硬い地盤に届いていると捏造して報告していたようです。

下請業者としては、設計に基づいて施工しており、杭の長さを意図的に短くした訳ではないのであれば、ボーリング調査からの判断ミスを含め、設計事務所の責任も大きいのではないでしょうか? 地面の中は地盤がどうなっているか分からない中で、安全率を見て、杭の長さや太さ、仕様を決定している訳で、支持地盤まで届かなかった設計者も責任があると感じます。

もし、設計通りに施工したにも関わらず、支持地盤に届かなかった場合、それに対する対応の仕方、費用負担、工期の遅れに対する調整、手順がどうなっていたか記事の中からは読み取れませんが、法規上では、杭を引き抜いて、  支持地盤に届く長さの杭を工場で作成して、再度、打ち直さなければなりません。それを怠ったのです。

施工業者に現場で不具合が出た時に、全てに於いて業者責任にしてしまうのはどうかと思います。我々の内装業界も同じような事例があります。天井の耐震補強の問題、ここ数年にわたり、天井板が落下した事例があります。この時代に手抜き工事をするのは考えられませんが、何かの原因で、想定外の外力が加わり天井落下してしまう事があります。施工ミスを除き設計通りに施工しても、施工業者に責任が来てしまうのです。

理不尽なことですが、設計者は自分の責任を全力で回避してきます。強度を求められる工事に対しては慎重に工事を行わなければいけません。今後、この事例をきっかけに、建設業法の元、現場での法令順守の指導が厳しくなると予想されます。現場で不具合が出た場合、全責任を押し付けられないよう、管理者に対する報告はしっかりやっていきたいものです。